匿名さん
今後、円安がさらに進んだ場合、われわれの生活はどうなるのか。すさまじいインフレを体験した国の人々の話を整理すると、大きく4つのポイントに絞られる。日本人は「超円安」の恐怖がわかっていない!
一時は1ドル=150円にまで達したドル円相場だが、コロナ以前は110円程度だったからこの3年強でドルあたり40円も安くなってしまった。このまま円安が進む可能性は低いと言われているものの、過去の歴史を振り返える…
●国全体が貧しくなる
激しいインフレが起こり、企業業績が急激に悪化していく。賃金の上昇をはるかに上回るインフレが生活を襲い、ほとんどの国民は生活苦に陥る。とりわけ、資産を自国通貨(=円)だけで運用してきた人は一気に財産が半分に減少してしまうので、生活も苦しくなる。
●政府や地方自治体の財政が急激に悪化する
財政赤字はさらに拡大し、地方自治体の中には職員に賃金が払えなくなるなど、公共サービスが一時的に停止になる事態がやってくる。政府の補助金に頼る年金給付や健康保険、介護保険、雇用保険といった社会福祉事業や公共サービスが危機を迎える。年金だけでは暮らせないレベルまでインフレが進み、生活が困窮する事態が起こる。
●金利が急激に上昇していく
円安を止めるため金利を上昇させることになるため、住宅ローンなど融資を受けている人や企業が危機に直面する。住宅ローンは一気には上がらないものの、利息だけを返し続ける羽目になる場合もある。不動産市場や株式市場は低迷する。
●企業の業績が急激に悪化する
海外での収益が円安で急増する反面、日本国内での業績は急激に悪化する。これまで企業がため込んできた内部留保も、円だけで運用してきた企業は資産が半減することになる。銀行は、円預金を引き出して外貨に換えようとする客で混乱し、最悪取り付け騒ぎに発展する可能性もある。経営基盤の弱い銀行の破綻も相次ぐ可能性がある。
日本がトルコやアルゼンチンのような状況に陥る可能性は低いが、日本には食糧やエネルギーを自給できていないというリスクが存在する。円安による食糧不足や原油価格高騰といった事態になれば、国民は困窮する。海外の投資家も、日本から資金を引き上げるために、円を売って外貨を買うことになる。超円安のシナリオも完全無視するわけにはいかないだろう。