匿名さん
■質の高い「ハイブリッド免疫」の獲得日本人の80%が接種…コロナワクチンによる免疫、どれくらい記憶されている?(吉村 昭彦)
2023年のノーベル賞医学・生理学賞受賞をされたカタリン・カリコさんとドリュー・ワイスマンさん。その受賞理由には、「効果的なmRNAワクチンが、前例のない速度で開発された」ことが挙げられています。事実、世界中で多くの人々が接種を受けました。政府の発表によると、初回接種だけの人も含めて、日本での新型コロナワクチンの接種率は80%以上となっています(首相官邸「新型コロナワクチンについて」)。接種のご経験のある方が気になるのは、あの時の免疫は、どれくらい残っているのだろうか、ということではないかと思います。mRNAワクチンの効果は、どの程度続くのかについて、考察してみましょう。
ブレークスルー感染した人たちを対象とした研究から、ワクチンを接種してから感染すると、より質の高い、かつ広く多様な変異株に対応できる免疫が得られることが報告されています。これは「ハイブリッド免疫」と呼ばれています。
つまり、ワクチンを2回接種してオミクロン株に感染したら、極めて強力な免疫記憶が得られて、今後出現するであろう未知の変異株に対しても恐れる必要がない、ということになります。もちろん、あらゆる感染が生命の危機につながる高齢者や重症化リスクの高い人は別です。
かく言う私も3回目のワクチン接種後に感染したらしく、抗体価が突然10倍に跳ね上がりました。らしく、というのは喉が少し痛いな、という感覚はあったものの発熱もなく、ほぼ普段通りに過ごせたからです。
接種したワクチンは武漢株に対応したものでしたが、このとき得られた抗体はオミクロン株に対しても十分反応し、しかも感染して半年後も、ある程度の抗体価が維持されていました。一人の経験から軽々しく判断することはできませんが、少なくとも提唱されているハイブリッド免疫の一つの例といえるでしょう。