匿名さん
円安による原材料価格や電気料金などの製造コストの上昇は、無視できない値上げ要素となる。このところ食品などの値上げが相次いでいるが、クルマの部品についても同様だ。10銭単位でサプライヤーとメーカーが価格交渉をしていると聞くくらいだから、実際の購買の現場ではさらに熾(し)烈な交渉が行われているのだろう。なぜクルマは高くなってしまったのか 高額化に恩恵を受ける人も
自動車の価格がどんどん高くなっている。製造コストや開発コストの増大に加えて、先進装備の充実や安全性向上も求められているからだ。メーカー、ディーラー、そしてユーザーにとって、高額化はどのような意味があるのか。
開発コストは、MBD(モデルベース開発=コンピュータ上でシミュレーションによって行う開発)で試作を減らすことなどにより削減している部分はあるが、10年前と比べると開発領域が幅広く、トータルのコストでは以前よりはるかに増大している。人材なども含めたリソースという点では、ほとんどのメーカー(トヨタを除く)が十分に足りていない印象だ。
排ガス規制、騒音規制などの厳しくなる環境規制と安全性能、快適性などはユーザーの要求も年々高まっているため、開発や生産コストは上昇する一方だ。
それでもクルマの安全性が高まって交通事故による死者は減少し、クルマの燃費も向上しているのだから、ユーザーは恩恵を受けていると言えるだろう。