匿名さん
「本を読む子は頭がいい」「家にたくさん本がある子は頭がいい」は本当?
「読書好きな子どもは学校の成績もいい」とはよく言われることだが、そもそもなぜ、読書をすることが成績向上につながるのだろうか。また、「本は読んでいないけど、毎日チャットやSNSでスマホの文字をたくさん読んでいる」という人は多いが、スマホでたくさんの文字を読むことは、読書の代替にはならないという。それはなぜなのだろうか?
●子どもの頃によく本を読んでいた人ほど、成長しても本をよく読む人になる
●「本をよく読む」「家に本がたくさんある」子どもは学力が高い
たとえば、2017年度に文部科学省によって実施された全国学力・学習状況調査の結果と、その対象となった小学6年生および中学3年生の子どもたちの保護者に対する調査の結果を関連づけた調査報告書では、蔵書数の多い家庭の子どもほど学力が高いことが示されている。
●「SNSやチャットでたくさん文章を読んでいる」では語彙は増えない理由
ものを考える際には、頭の中を言葉が駆けめぐっている。このように言葉でものを考えるということ、そして本を読むことで語彙力や読解力が高まるということから言えるのは、読書することで思考力が高まるということである。思考は持っている言葉に制約を受ける。読書によって心の中に言葉を蓄積することが、知的発達につながっていくのである。
本を読めばいろいろな言葉に触れることができる。知らない言葉に出会うこともあるだろうが、そのときは文脈を手がかりにその言葉の意味を推測して読み進めていくことになる。このような読解作業は知的鍛錬になる。
川島たちによれば、このような変化は大人になってからも生じるため、何歳になっても読書習慣によって脳の発達を促すことができることになる。