匿名さん
風邪予防といえば、まず手洗いが思い浮かぶと思います。風邪の原因となるウイルスや細菌は、咳やくしゃみで飛び散った飛沫ひまつだけではなく、手を介しても感染するからです。たとえば、風邪をひいている人がくしゃみをするときに手で覆うと、手にウイルスが付着します。その手でドアノブや手すりといった環境表面を触るとウイルスで汚染されることに。同じ部分を別の人が触り、その手で目や鼻の粘膜に触るとそこからウイルスが感染します。手が汚染されている可能性のあるときは、目や鼻を触らないほうがいいでしょう。じつは市販薬より効果的…風邪で咳がひどいとき、一口飲むだけで楽になるスーパーで買える身近な食材 現役医師がエビデンスに基づいた風邪の予防法&対処法を伝授
風邪が猛威を振るっている。できればかかりたくない、かかったとしても悪化させたくないと誰しも思うだろう。内科医の名取宏さんは「風邪は自然治癒しかないが、予防法と対処法はあるので知っておいてほしい」という――。
また、うがいが風邪を予防することも、日本発の研究で示されています。18歳から65歳までの健康な人387人をランダムに、【水うがいを行う群】【ポビドンヨードうがいを行う群】【うがいを行わない対照群】の3つに分け、60日間の上気道感染症(風邪とほぼ同じ意味です)の発症数を比較したところ、水うがい群では上気道感染症の発症が4割減少したのです。
興味深いのは、殺菌作用のあるポビドンヨードうがい(代表的な商品名はイソジン)を使った群は、うがいを行わない対照群と差がなかったことです。殺菌成分が正常な細菌叢や粘膜に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。風邪を予防したいのであれば、ポビドンヨードを使わず、普通の水でうがいをしましょう。
最近は鎮咳薬が不足していますから、代わりにハチミツを使うという選択肢もあります。民間療法のように思えますが、実はそこそこエビデンスがあります。有名なところでは、1歳以上の小児の急性咳嗽に対して、プラセボや市販薬と比べてハチミツが有効であるという系統的レビューがあります。
用量・用法に決まったものはありませんが、目安としては就寝前に2.5mL投与です。ハチミツは甘いので投与後に歯みがきをしてください。また1歳未満の乳児に対してはハチミツを与えてはいけません。乳児の腸内細菌は未発達のため、まれにハチミツ中のボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を産生することがあるからです。