匿名さん
全国の保育園で「不適切な保育」や「虐待」が増加したことを受け、園に監視カメラの設置を、といった議論が盛り上がっている。だが、現場からは戸惑いの声も上がる。都内の認定こども園で勤務する50代の保育士は、「保育参観でもかなり緊張します。監視カメラが設置されたら、常に監視されている感覚になり、保育士になりたいと思う人が減ってしまうのではないかと心配です」と話す。保育園に「監視カメラ」は必要か “不適切保育”「起こしかねない」が約半数のせつなすぎる現状とは | AERA dot. (アエラドット)
大きな声で泣き叫ぶ園児。保育士は少し離れたところで見ているだけで、なかなか来ない。
認可保育園で保育士として勤務した経験がある、中部大学非常勤講師の天野諭さんは、「保育園での我が子の様子を見たいという保護者の気持ちもわかる」としたうえで、監視カメラの設置についてこう疑問を投げかける。
「保育士は、子どもたち一人一人に合わせて接し方を調整しています。場面によっては泣いたらすぐに駆け付けるのではなく、子ども自身で気持ちを立て直すタイミングを待って、泣きやんだら抱きしめてあげようと考えているときもあるのです。こうした現場に根差した保育支援の専門性は、監視カメラだけでは評価できません」