匿名さん
今問題となっているのが、この制度を利用して年金ほしさに家族が延命治療を受けさせるケース。仮に延命治療を受ける高齢者の年金が月20万円だった場合、延命治療の自己負担額を引いた約17万5400円を高齢者の家族が受け取れることになるが、亡くなると家族はその額を受け取れないわけだ。寝たきりの高齢者をとりあえず“延命”させた末路…“延命治療”の闇深い一面(A4studio) @gendai_biz
超高齢社会である日本。高齢者人口の増加に伴い、医療費も上がっていくため、現役世代の負担増は避けられない。そのため、以前に比べ国民皆保険制度の見直しを図るべきという意見も年々増えてきている印象だ。なかでも、後期高齢者への高額な延命治療費が保険適用の対象となっていることを問題視する声は少なくない。
あえて悪意的に表現するが、高齢者に延命治療を受けさせたほうが、その家族にとってはかなり“貰い得”ということになる。
そこで今回は日本の医療問題を中心に執筆・取材を続ける医療行政ライターの中田智之氏に、この延命治療の問題点について解説していただいた。(以下「」内は、中田氏のコメント)
年金目当てに延命治療を行う家族がいるという噂について、中田氏の見解を伺おう。
「誤解なきようにお伝えしておきますが、最初から年金目当てで延命治療を選択する家族はあまりいないと思います。純粋に長生きしてもらいたいという家族愛から治療を選択するケースのほうが圧倒的に多いでしょう。
しかし、延命治療をして病院に高齢者家族を入院させているうちに、いつのまにか銀行口座に年金が貯まっていき、貯蓄額が増えていることに後から気づくというケースは多々聞きます。一度気づくと欲が出て、例えば『子どもの学費を払い終えるまで生き続けてほしい』などと口にする家族の話は聞いたことがあります」