匿名さん
■友人関係を築き健康を維持「友達がいなくても楽しく生きられる」は本当? 「不要論」「必要論」から見えた人間関係の“コスパ化” | オトナンサー
「友達不要論」と「友達必要論」が対立するのは、なぜなのでしょうか。評論家が考察します。
まず友達不要論と友達必要論の対立ですが、前者については世間にはびこる「ぼっち」に対する寂しそう、かわいそうといった差別意識への反発のほか、家庭や学校などにおける既存の人間関係への不信感、後者については健康志向から来るコストパフォーマンス(費用対効果。略語はコスパ)の追求が背景にあると考えられます。
確かに学校や職場などで1人で食事をしている場合、一緒に食事をする相手がいないことに不安を感じる「ランチメイト症候群」という言葉があるほど、1人でいることを「変わったこと」「問題がある」と評価する風潮が依然として根強くあります。同調圧力といってもいいかもしれません。
また、「友達はいいもの」「友達が1人もいないのは人間的におかしい」などといった価値観があり、これが「ぼっち」への偏見を助長している面もあります。友達不要論は、このような価値観にノーを突き付けるとともに、積極的に1人になるメリットなどを示して、現状を肯定してくれます。
一方、友達必要論は、昨今の健康志向の高まりと密接に関連しています。新型コロナウイルスの流行を通じて、社会的なつながりの重要性とそれが心身に与える影響の大きさが再評価されると同時に、先進国で超長寿化時代を迎える中で、健康を維持していくためには良好な人間関係が必要との知見が広まっているからです。これは個人のレベルにとどまらず、政府の政策などにおいても実施されています。