匿名さん
■立場が逆転した親子関係本当の原因は「いじめ」や「友人関係」ではない…日本中で不登校の子が増えている構造的な要因 正しい親子関係が築きづらくなっている
なぜ不登校の子どもが増えているのか。不登校の子どもを平均3週間弱で再登校に導く独自プログラムを提供するスダチ代表の小川涼太郎さんは「一般的にイメージされている『いじめ』による不登校は0.2%。大半は『なんとなくだるい』『なんとなく不安』という理由がはっきりしない不登校で、その背景には正しい親子関係が築きにくい社会構造上の問題がある」という――。
昭和の時代は体罰も多く、子どもには問答無用で言うことを聞かせるようなスタイルも普通でしたが、いまはまったく違います。子どもの権利に対する意識が高まり、一人ひとりを尊重するようになりました。
こうした風潮の中で、現代の親は子育てに自信を持てないでいます。子どもに対して気を遣い、友だちのような関係や、子どもが主で親が従といった逆転の関係になってしまうこともあります。これは「正しい親子関係」とは言えません。
子どもにとって、「やりたいことをやらせてくれるけれど、頼りない親」であった場合、愛情も受け取りにくくなります。
■「学校に行かなくてもいい」は本当か
多様性が重視され、さまざまな選択肢も増えている現代では、「学校に行かなくたっていい」という言説もよく耳にします。
ただ、むやみに「学校に行かなくてもいい」と言うのは危険です。
学校に行かずに、学校と同等の教育や機会を得ることはかなり難しいのが現実だからです。
学校と同等の学習や運動、同世代のコミュニティへの参加等の環境を民間企業でまかなおうとすると、月に25万~30万円くらいかかります。これだけの費用を出し続けられる人は少ないでしょう。
逆に言うと、不登校であればこれだけの機会を失っていることになります。
学校に行かない場合は、本来得られるはずの教育の機会を別の何かで補(おぎな)う必要があるのです。