匿名さん
小学校に入学したばかりだった時期だったので、Aさんの妻の“ママ友ネットワーク”は保育園時代ものがほとんどだった。ところが遊びに来た友達の中には、別の保育園から来た子や、幼稚園から来た子も含まれていた。そのため、ネットワークに入っていない親からは「見知らぬ親子の家にお邪魔してしまった」ことが大きな騒動になったという。「友達の家に遊びに行けない」小学生が急増中 都会に住む親が「行っちゃダメ」と禁止する理由とは? | AERA dot. (アエラドット)
「本当に申し訳ありませんでした。もう二度と行かせませんから」
「その中の1人のお母さんが、とにかく私たちにお礼を言わなきゃと思われたのでしょう。LINEやSNSをフル稼働させて、私たちのことを知っている人はいないかといろんな人に聞いてまわったようです。結局、妻のママ友に“共通の知人”がいたようで、そのママ友を通じて丁寧なメッセージをいただきました。そして、その子はその後、わが家には来なくなりました。息子が誘っても『ママに友達の家に行っては駄目だって言われている』と答える友達もいるようなので。私たちの時代とは意識が大きく違うのだなと思いました」
■「もう二度と行かせませんから」
またある晩、Aさん家族が家の近くにあるファミレスで食事をしていたときのこと。近くの席で、家に遊びに来たことのある男の子も両親と食事をしていた。息子と男の子が最初に気づき、親も会釈して、家族同士の会話が始まった。
「会話をするうちに、『家に遊びに来てくれたことがあったよね』という話になりました。すると男の子のお母さんが『はっ!』という表情になり、深々と頭を下げられたんです。そして『あとで息子からお宅にお邪魔したと聞きまして、本当に申し訳ありませんでした。もう二度と行かせませんから』と丁寧に謝罪されたんです。予想もしなかった展開で、何と言っていいのか分かりませんでした」
実際、小学生が友達の家に遊びに行くことが減った、という調査結果がある。
■お菓子やジュースにも気を遣う
Aさんの実感としては「友達の家に行くな」と子どもに指示する親は増えており、公園で見知らぬ母親がママ友に「家に友達を呼んでほしくないから、自分の子どもにも行くなと言っている」と話しているのを見たこともある。
「遊びに来た友達のご両親がお菓子やジュースを摂ることにどんな考えを持っているかわからない。だから簡単には出せないようになってしまいました。それこそ何らかのアレルギーを持っているかもしれない。子どもの友達が遊びに来ると、身構える親は増えているのではないかと思います」(Aさん)