匿名さん
LINEでの何気ない会話は、いつの間にか金の話だけになった。「もう貸せない」と言えば「貸してくれなかったら死ぬ」「消費者金融に借りて」。将来のための貯金はまもなく底をついた。近くに住む両親には「生活が苦しい」とうそをついて数万円借りた。何度も詐欺を疑ったが、いつかは返ってくるだろうと黒野被告の言葉を信じ続けた。「あほなことをした」 ロマンス詐欺で1600万円失った女性の後悔 | 毎日新聞
「両親の借金を返済したい」。マッチングアプリで出会った男からの願いを聞き、振り込んだ額は約1600万円に上った。直接会ったこともない。付き合ってもいない。「なぜ信じてしまったのか。あほなことをした」。ロマンス詐欺の被害に遭い、預貯金を全て失った30代の女性は語った。
電話は昼夜を問わずかかってきた。次第に「金を貸してくれないなら実家や仕事場に行って巻き込むから」と脅されるように。自分も家族も危害を加えられないかという不安から、誰にも言えなかった。
(中略)
消費者金融への返済は月10万円。副業をしながら苦しい生活が続いている。両親にはまだ詐欺に遭ったことを伝えられていない。「自分が情けないし、相手には怒りしかない」。後悔と怒りで涙を浮かべた。