匿名さん
障害児を育てるには大変な苦労と金銭が伴うことも、周りに障害児の母が多い私は理解しているつもりだ。「羊水検査で障害児だとわかって中絶した」と話す友人に怒りが湧いてしまったワケ | 女子SPA!
デビュー作『ウツ婚!!―死にたい私が生き延びるための婚活』で、うつ・摂食障害・対人恐怖・強迫性障害などの精神疾患を抱えながら婚活に励んだ日々を綴った石田月美さん。コミック化もされ話題となったデビュー…
けれど、周りにそのような者が多いということは、Uとは違う決断をした者が多いということである。
皆、私に障害があることも知っていた。私とUの双方に配慮しつつも団らんを続ける周囲に申し訳なくなりながら、(略)
Uがペットショップで一番可愛く育てやすそうな犬を選んだという話を聞きながら子もそのように選んだのかと思い、湾岸沿いの蜂の巣のようなマンションからUのような思想を持つ子どもたちが大量に羽ばたいていくのかと思い、自分勝手な妄想に自分で腹を立てていた。
こっち側にきてみろ、と。
私は幼い頃から障害者を差別する人間に嫌悪感を持っている。その頃は自分が障害者であるなんて思ってもおらず、ひとえに母親の教育に依るものだった。マルクス主義者の母は、人間は平等であるべきで、そのためにあなたはいつでも弱い者の味方をしなさい、と私に教えた。そして強い者と闘いなさい、と。
帰り道、Uと二人きりになって私はようやく「大変だったね」とねぎらいの言葉をかけた。Uは「だってさ~あのとき産んじゃったら赤ん坊のどっかに欠損があるかもしんないって言われたんだよ。そんなん、うちの旦那さんも可哀想じゃない?」と私がUの決断を快く思っていないことを踏まえ伴侶のためとしてくれた。
そして明日は保育園の説明会なんだ、と言って電車を降りた。
私たち夫婦も明日は説明会。脚に障害を持つ夫の片脚切断手術について、一緒に病院に聞きに行く予定だったから。