農村から100円で売られた少女たち…東北の小学校卒業者の“76人に1人”が売られた戦前の貧困と売春事情

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匿名さん



https://shueisha.online/articles/-/254015?page=1
娘を売って、一体いくらになったのか?

この〝命の値段〟は地域や時期によって大きく異なる。

不況で身売りが多い時期には、必然的に相場は下がる。だから、昭和初期の不況時期に東北地方などから売られた娘の値段は100円という安値だったこともある。

しかも、その半分は手数料として取られたので、親の元に入ってくるお金はわずか50円である。50円といえば、当時の労働者の平均月収にも及ばない。現在の価値でいえば、十数万円というところである。わずか十数万円の金で、貧農の娘たちは売られていったのだ。

親にとっても、この十数万円は安かったに違いないが、娘を売るということは口減らしになるということでもあった。子どもが一人減れば、食糧がそれだけ浮く。寒村では学校に弁当を持っていけない「欠食児童」が多数いたので、口減らしということだけでも、親にとっては助かったわけである。

都心部には、売られてきた娘たちを匿って親元に戻してやる慈善事業団体もけっこうあった。しかし娘を親元に帰しても、必ずしも喜ぶ親ばかりではなかったという。「せっかく口減らししたのに」ということだ。そんな親元にいたたまれず、自分から娼家に戻る娘も少なくなかった。当時の東北の農村がどれだけ貧しかったか、ということである。
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