匿名さん
https://forbesjapan.com/articles/detail/81128
ポップマートの戦略の巧みさは、「ブサかわいい」キャラクターのデザインだけではなく、その売り方にもあった。彼らの希少性の演出は単に限定版を作ることのみではなく、販売地域を絞った限定ドロップ、アプリ経由の抽選販売、ネット上で当選確率が話題になるレアモデルの投入など多層的に仕組まれていた。
さらに、店頭の行列の長さや、オンラインの購入ボットの動き、転売価格の動向などのデータをその後の販売計画に反映させたが、それは混雑を解消するためではなく、むしろ熱狂を煽るためだった。ファンたちは早くから、「ラブブへの忠誠心」が、このぬいぐるみの販売情報をネット上で常に監視し続けることを意味すると悟っていた。
しかしこの戦略は、高い利益率をもたらした一方で、その代償としてファンの信頼を損なった可能性がある。近くに在庫があるはずなのに「売り切れ」と告げられ続けた購入希望者は、自分たちがファンではなく購買データの1つとして扱われていると感じた。その結果、世界各地で話題をさらったファンの行列は、長くは続かなかった。
そして、ポップマートは、アプリ経由でのリリースや正規販売ルートでの値上げを進めているものの、RedditやTikTokでは「すでにピークは過ぎた」という声が広がっている。実際、この数カ月で一部地域では平均転売価格が50%以上も下落している。


