匿名さん
Aさんのそんな思い描いた移住生活は、「これは、誰のせいでもなく、僕自身の感性によってね、無理だと思った」ものだったという。定年後に1500万で田舎に移住…「意外すぎる騒音」で地獄を見た、元役員の末路(柴田 剛) @gendai_biz
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深夜、そばを流れるせせらぎの音が、じわり家の中に入り、耳に届くのだ。
「不思議なことに、耳って、一度音を拾うともうずっと意識しちゃうものなんですね」
車の音もなく、雑音のない森の中で、水の音はこれほどまでに大きいのかと思うほどに、脳裏に響いてくる。
夏になればオオルリがやってきて、春先は繁殖期を迎えると、そのオオルリの美声もさらに激しさを増す。
「今、思い返すとね、都会っていうのは騒音ばかりなんで、逆に些細な音が気にならない、そんな生活だったんですよね。都会人の生活にはむしろ静寂がないから、耳や身体が音になれてしまっていて。でも、森のなか、山のなかで静かな暮らしに入った途端に、たとえ綺麗で小さな音でも、大変な騒音ほどに大きく響いてきてしまうっていうことなんでしょうね」