匿名さん
理不尽な即日解雇と給与未払い ドリンクバックもたったの100円キャバクラユニオンが向き合う現場 賃金の未払いやセクハラも (2017年2月28日掲載) - ライブドアニュース
キャバクラユニオンが向き合う過酷な現場について、代表らに話を聞いている。一番多い相談は賃金の未払いと即日解雇で、セクハラなども深刻だという。求人広告が嘘であることも多く、ボーイやホストからの相談もあるそう
―キャバクラユニオンはどのような経緯で結成されたのですか。
布施:キャバクラユニオンは、フリーター全般労働組合の分会として2009年に発足しました。フリーター全般労組は、非正規労働者でも一人で加入できる労働組合です。当時は世間のイメージが実態とかけ離れていることも課題でした。
―どのような点でイメージと実態の乖離があったのでしょうか。
布施:当時は小中学生の「将来なりたい職業」にキャバクラ嬢が入っていました。『小悪魔ageha』という雑誌もありましたし、キャバクラを舞台にしたドラマも放映されていました。そのため綺麗な格好をして楽に稼げる職業であるというイメージが世間に流布していたんです。しかし実際にはノルマ・罰金、お客さんからのセクハラや暴力などが横行しています。
―ユニオンにはどのような相談が寄せられているのでしょうか。
布施:一番多い相談は、賃金の未払いと即日解雇です。両者は密接に関係しています。経営者はお給料を支払いたくないので、突然解雇するんです。例えば「お前は勤務態度が悪い」などといって解雇する。そして解雇されたのだからと辞めた月の給与を支払わないんです。こうした給与の未払いは、100万円以下であることが多いですが、場合によっては300万~400万になることもあります。
―他にはどのような問題がありますか。
布施:キャバ嬢へのセクハラも深刻です。ただセクハラの被害にあっていると認識している人は多くありません。給与の未払いなどでユニオンに訪れた人に「セクハラはありましたか?」と聞いても「セクハラはありません」と答えるんです。しかし詳しく話を聞いていくと「店長に足や尻を触られていた」「口説かれた」「プライベートを根掘り葉掘り聞かれた」という人は非常に多いです。中にはお客さんから足を折られるなどの暴行を受けた子もいます。
田中:求人広告のうたい文句が嘘であることも多いです。求人広告通り、ノルマも罰金もないお店なんてないと思いますよ。「特定の期間に指名のお客さんを何人以上呼ぶように」というノルマを課されて、もしノルマを達成できなければ罰金ということもあります。
ひどいケースでは、当日欠勤したら4万円の罰金を科されたり、同伴デーに同伴のお客さんを呼べないと、それだけで罰金を科されたりすることもあるんです。こうした罰金は本来、給与から引いていいものではないのですが、「お客さんを呼べていないから罰金を取られても仕方ない」と思ってしまう女の子が多いんです。
布施:時給が4000円と書いてあっても、「はじめは稼げないから仕方ない」「頑張れば時給は上がるよ」と女の子を言いくるめて、安い時給しか払わない店もあります。またもし仮に時給が求人広告通りだとしても、そこからヘアメイク、送り代、雑費、積立金など様々な名目の諸費用を引くんです。実質的には時給が最低賃金レベルになることもあります。
田中:ちなみにドリンクバックもあまりよくないお店が多いんです。私の勤めているお店では、1000円のお酒を飲んでも女の子には100円しか入りません。
―男性からの相談もあるのでしょうか。
布施:ボーイの方やホストの方などが相談に来ます。男性でも賃金未払いや即日解雇で相談に来られる方が多いです。寮で生活していた場合、寮から追い出されたり、寮に置いてあった荷物を捨てられてしまうということも起きています。